Natural Sleep 自然な眠りの部屋 〜 快眠日記

快適睡眠を考え、その実現のための寝具を提案しサポートするショップです。 良質な天然素材を使い、ヒトが本来持っている自然な眠りを実現をめざして、オリジナル寝具の開発や睡眠の研究に取組んでいる「眠りのプロショップSawada」の店主の取り組みや最新情報を紹介します。 手作りでお届けするオーダー羽毛ふとん、オーダー枕、マットレスやベッドなど、快適で安全に眠るための商品情報も提供しています。

2006年05月

石見銀山〜群言堂のこころ5

今日(5/30)のテレビ東京の番組「ガイアの夜明け」で石見銀山の群言堂が紹介をされていた。松場大吉・登美夫妻が故郷に帰ってきて、最初はカントリー風小物雑貨から、和の暮らしウェア「群言堂」が生まれるまでのストーリーは過去、新聞や雑誌でも紹介され、登美さん自身は観光カリスマでもある。

私の店では8年来「群言堂」を扱わせてもらっている。年に一度、展示会のために石見の地を訪れるのだが、島根県大森町は石見銀山の跡以外は群言堂石見本店しかないひなびた田舎町である。

私が好きなのは本社の隣に広島から移築したという鄙家という茅葺の家である。商品の選定は嫁さんにまかせて、町並みをぶらぶらし、鄙家の縁側でごろ寝するのが楽しみだ。まさに「日本の休日を味わっている」という風情なのである。今年はスケジュールが詰まって行けそうにないのがつらい(泣)

群言堂のウェアやスタッフも暖かみがあるのは、大森町という田舎のバックボーンと松場夫妻のキャラクターにあるのだろう。

何もないまちなのであるが、夜は展示会に訪れた我々を阿部家という古民家でスタッフが手作りで料理をしてもてなしてくれるのだ。日本の各地から集まった人たちと松場社長をはじめとするスタッフのみなさんとの交流が夜遅くまで続く。ここへくる楽しみの一時でもある。

テレビでも紹介されていたが、群言堂では、昔から残っている布を日本全国から集めてくる。今、各地の生地の生産地では安く入ってくる輸入物の影で生き残りに必死だ。特色のある織り方の生地は織機が減り、職人さんも高齢化して技術を伝えることが非常に難しくなっている。

群言堂と大森町の町並みを見るたびに、日本の良さを残し、新しいものを取り入れながら「ココロ」を伝えていくことの大切さを感じるのである。

リフォームでわかる羽毛の品質 カウフマン社の羽毛はやっぱりすごい5

435c838b.JPG6年前にお買上げいただいた、ヨハネスカウフマン社のポーランドポメラニアングースダウンを使った羽毛ふとんをリフォームすることになった。

ポメラニアングースは、現在でいえばヴァルダイグースのように手選別で絡み(ステッキー)の大きいダウンである。お客様からは「嵩も減っているんですけど」とご指摘を受けた。

お預かりした羽毛ふとんを開けてみると確かに羽毛の力が今ひとつ足らない。といっても画像のようにゴミはいたって少ない。「おかしいな」と思いつつもリフレッシュマシーンにかけてみた。(リフォームの工程はこちら

仕上がって驚いた。(というか予測はしていたのだけれど・・・)。ダウンボールは大きく開いて嵩は元通りに戻っている。一番感心したのは、ゴミがほとんど出ていないのである。通常羽毛は長期間使用すると、ダウンボールが壊れてしまい、リフォームを行うと少なからずゴミがでるのだが、このポメラニアングースはほとんどそれが無い。

新しい側に入れてみるとほとんど元通りになった。カウフマン社のボーラー会長が「鳥が健康であるかが大切なんだ」とおっしゃっておられたが、それを証明するかのような、ダウンボールの元気良さであった。

この羽毛ふとんは、通常の2倍以上の通気性があるリヨセル・バティストを使っていたので、湿気の抜けはいたって良い。その反面、通気性が良すぎて、通常ならカバーや側で止まっている汗の汚れ等が羽毛に付着して嵩減りになったのかもしれない。

羽毛の質の良さと+この通気性の良さが、「夏でも本当に気持ちいいんです」というお客様の言葉になったのだと思う。

カウフマン社の羽毛は確かに安くはないのだけれど、今回のリフォームを通して、その良さを改めて再認識することとなった。

電動リクライニングベッドについて

760b4c67.jpg今年のケルンのIMM(国際家具見本市)のベッドでは電動リクライニングタイプのベッドが全盛だった。

それと介護保険の適用が変わって、レンタルのベッド借りられなくなった方が電動リクライニングベッドの購入を検討されているという。そんなわけで、電動リクライニングベッドは好調である。

ただ、まだ「快適に眠るためのリクライニングベッド」と「介護のためのリクライニングベッド」の区別については、なかなかご理解いただけないようで、「電動リクライニングベッド? 介護用じゃないの?」というお客様は依然多い。

この2つの考え方は「快適に眠る」ということと「介護がしやすい」ということの発想の違いである。だから介護用は上下昇降が付いているものがほとんどで、手すりや補助バーなどを付ける必要があることから、金属で出来ている。総重量は70kg以上とかなり重い大がかりなものだ。

一方「快眠のためのリクライニングベッド」は正しい寝姿勢を保つために、ウッドスプリングを採用している。ウッドスプリングは一番体重の重い腰の部分の硬さを体格に合わせて調整でき、横寝の場合も体にフィットしたカタチに変形できるのである。ヨーロッパで天然ラテックスのマットやウッドスプリングのベッドが主流なのは、ベッドの素材に金属(スプリングを含む)があると地磁気が乱れ、体に良くないという考え方があるからだが、体のためを考えれば金属より自然素材の方が良いのだろう。

寝心地はといえば、当然ウッドスプリングタイプに軍配が上がる。介護用はどうも冷たい感じがしてならない(実際に金属だから冷たいのは事実だ)

リラックスをして眠るのなら、ウッドスプリングタイプの電動リクライニングベッドをおすすめしたい。



リネンの心地良さ4

9c3c21ac.jpg春はあっというまに過ぎ去って、いきなり初夏という感じの天気が続く。日によっては蒸し暑さも感じるようになってきた。この季節になると特に気持ちが良いのがリネン(亜麻)である。昨年来ブームといわれるぐらいリネンは人気だ。

麻にはいろいろ種類があって、日本で代表的なのは苧麻(ちょま、ラミー)、ちょっと前に流行った大麻(ヘンプ)、ごついものだとジュートなどがある。日本の苧麻(ラミー)はどちらかというと硬くてゴワゴワというイメージが強いかもしれない。決してそうではないのだが、地元の近江縮に代表されるようにシャリ感があって、蒸し暑い日本の夏にはピッタリの素材でもある。

一方リネンはヨーロッパが本家。ベッドリネンといわれるように、もともとベッドシーツなどは綿ではなくリネンを使っていた。今でもヨーロッパの超高級ホテルはリネンを使っているところがあるし、昭和天皇は必ずリネンをお使いになっておられたという。ランチョンマットやテーブルクロスなどもリネンが良い。何度洗っても大丈夫だ。生地はラミーより柔らかく、独特の肌ざわりが実に気持ち良い。

私も夏の外出着はジャケット、シャツ、パンツもリネンをよく使う。一度はまってしまうとリネン以外では満足できないようになってしまうぐらいである。麻の宿命でシワにはなりやすいのだが、それもリネンらしい風合いを醸し出してくれる。

昨今は安いアジア産のリネンも増えたが、やはりリネンの最高峰はアイリッシュリネン。リトアニアなどのリネンも良い。60番手クラスの細番手の生地は何とも言えない抜群の風合いだ(値段も張るが)

アジア産の安いカバーだと10000円ちょっとぐらいから、アイリッシュリネンの30000円クラスまで、綿のカバーに比べるとちょっと高めだが、一度お試しいただきたい素材である。こちらからどうぞ(1種類だけ)

P.S.リネンといえば日本では帝国繊維が一番上質だと思うのだが、そのテイセンのネットショップで売っている羽毛ふとんのレベルの低さはどうだろう?「上質な暖かい羽毛布団には、上質なリネンの布団カバー」、まさにその通りなのだが、あのレベルではアイリッシュリネンのカバーが泣くぞ。

なかなか慣れないCPAP2

睡眠時無呼吸症候群の対策として先月からCPAPと呼ばれる、鼻から強制的に空気を送るキカイを寝るときに装着してる。

そのうちに慣れるかな・・・と思ったのだが、なかなか慣れない。最初はなんとか眠れるのだが、夜中に一度目覚めてしまうとその後がだめだ。時にははずしたことさえ覚えていないことがあるが、そのまま朝までぐっすりと眠れたためしがない。

昨夜はそんなこともあって、CPAPをはずして寝てみた。すると寝付きは悪くない。
しかしながら、朝起きると、なんかぼーっとした感じがする。どうもCPAPの効果はあるみたいだ。

というわけで、今夜は着けて寝てみることにしよう。
15日には滋賀医大へ行くが、継続するためには1ヶ月に一度診察を受ける必要がある。継続するかやめるか悩むところである。SASは特にこれといって自覚症状がないところがやっかいだ。前回田中睡眠クリニックの田中先生のお話でも、長期的には血管まわりの疾患を引き起こしやすいということだ。

SASは横寝することにより、緩和されることが判っているが、横寝を継続することはなかなか難しい。横寝をしやすい寝具といえば、ヒュスラーネストもしくはジェルトロンあたりが良いのではないかと思われる。横寝用枕というのもあるので、抱き枕と組み合わせながら試してみようと思う。

隠れた実力者 ブランブラン・シルバーステッキーダウン5

e7cfa571.jpgアークテイックステッキーダウンと一緒に入ってきたのが、ロシア・ブランブラン産のシルバーステッキーグース50kgである。昨年のも良かったが、今年のはさらに良い。

ブランブラン産はホワイトグースの飼育が無い模様で(現在調査中)、全てシルバーグレーのグースダウンとなる。しかしながら、ダウンの質はホワイトのトップグレードに匹敵しダウンボールも極めて大きい。ただ、マーケットではホワイトの方が見た目が良いために高い値段で売れる。逆に言えば、シルバーグレーは品質の割にかなり値打ちであると言えるのだ。

実質本意で選ぶ方にはおすすめしたい羽毛である。
livedoor プロフィール

ねむりはかせ

創業120年を迎える老舗のふとん屋の四代目
今までの「売れれば良いふとん屋」を脱却し、快適な眠りはどうあるべきか、そのための寝具はどのようにしたらいいかを日夜研究しています。
そのために、全国世界を訪ね歩き、試行錯誤の中からオリジナルの寝具を生み出してきました。

プロフィール画像はキャラクターデザイナー井上・ヒサトさんの作品 なまけもののネムタをご厚意で使わせていただきました。

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