Natural Sleep 自然な眠りの部屋 〜 快眠日記

快適睡眠を考え、その実現のための寝具を提案しサポートするショップです。 良質な天然素材を使い、ヒトが本来持っている自然な眠りを実現をめざして、オリジナル寝具の開発や睡眠の研究に取組んでいる「眠りのプロショップSawada」の店主の取り組みや最新情報を紹介します。 手作りでお届けするオーダー羽毛ふとん、オーダー枕、マットレスやベッドなど、快適で安全に眠るための商品情報も提供しています。

2008年01月

真綿ふとんのことあれこれ

横浜のお客様からのご注文があって、久しぶりに近江真綿振興会の北川茂次郎さんを訪ねました。お年を召していらっしゃいますが、かくしゃくとして元気なご様子です。

今回はお子様用にオーガニックコットンの生地を使い、国産生まゆの真綿ふとんを作ります。せっかくなので、縫いもオーガニックコットンの糸、とじは絹糸で行うことになりました。

かつては湖北地方のあちらこちらに桑畑があって農家で養蚕が盛んに行われていたのですが、現在ではほとんどみることがありません。そこで、現在では繭は愛媛県産で滝本さんという良い養蚕農家で育てているもので、餌となる桑の質が良いので、安定して良い品質の繭ができるそうです。

近江真綿の特徴は正方形の角真綿です。残念ながら近江手引き真綿として売られている真綿のほとんどが、真綿は中国産のものです。国産のものと比べてみるとはっきりしていますが、中国ものは1枚1枚が厚さが不安定なのに対し、国産は均一でちゃんとしています。

1枚の角真綿は4枚に分けられるのが本来ですが、中国産はばらばら。通常は約6個の繭から1枚をつくり、それを4枚重ねて1枚分の角真綿となります。すなわち24個の繭が要るという事ですね。それが1枚7〜8gぐらいです。実際にはこの真綿を何百回もひっぱり重ねて真綿ふとんを作るわけですから、大変な工程です。

整理すると 近江真綿といっても
1. 中国産角真綿
2. 国産乾燥繭
3. 国産生まゆ
と、グレードが違うのです。生まゆの方が柔らかく、へたりにくいといわれます。
さらにこの上に
4. 国産黄金生まゆ
と呼ばれる 黄金色の特上の真綿があるのです。

近江真綿の良さを体感するのなら、3.国産生まゆがおすすめですね。生地も一般に出回っているシルクサテンではすべるので、オーガニックコットンやガーゼなど体にフィットしてやさしいものをおすすめしています。

小企業だからできる「質販店」

ドイツから帰国した1月17日、大津で「グリーン購入フォーラム」が開催された。

昨年のグリーン購入大賞で滋賀県から4つの受賞団体が出たことを機に開催されたのだが、セントレア到着が遅れ、ぎりぎりに会場に着く。
基調講演はグリーン購入ネットワーク会長の中原武蔵工大教授。その後私を含め3団体が受賞発表。その後に、中原先生をコーディネーターに嘉田滋賀県知事、高田滋賀銀行頭取、藤井滋賀環境生協理事長、土屋滋賀GPN代表幹事(ここまでは豪華メンバー)と私でパネルディスカッションが行われた。

環境に負荷をかけないグリーン購入への取組みは、昨年のグリーン購入大賞の大企業部門で受賞した松下電器のように大企業が多い。流通系でもイオンや平和堂などが、過去大賞を受賞している。
しかし、いかに環境負荷を抑え、リサイクルに取り組んでいるといっても大企業は基本的に「量販店」すなわち「大量に販売すること」が前提として成り立っていることがほとんどである。

パネルディスカッションで「中小企業としての取組み」を聞かれたが、中小企業こそ量に頼らない「質販店」を目指せるのではないだろうか? 確かに「量」をとらずに「質」を取ると価格は高くならざるを得ない。しかし、質を上げることで長く使うことが出来るのなら、資源の消費は少なくて済むのである。

大量にペットボトルを販売し、それをリサイクルすることより、ペットボトルそのものを使わないような生活スタイルを作り上げていくことが大切じゃないかということを目指していくことが大切なのだ。

ケルン国際家具見本市レポート

ケルンの家具見本市はハイムテキスタイルの翌週からはじまる。2年ぶりの来訪だ。フランクフルトからICEで1時間ちょっとで、大聖堂を目の前にした中央駅に付く。2年前はマインツからだったので、ライン川沿いの眺めを見ながら下ったのだが、ドイツの新幹線ICEは快適で早いが、日本同様眺めを楽しむというにはほど遠い。

ケルン・メッセもフランクフルト同様に大きい。ヨーロッパへ来てから4日間、毎日歩き詰めなのでさすがに足にストレスがたまっている。食べ過ぎで体重が増えたのも原因か・・・。家具はトレンドの部分とcassinaなどのイタリアメーカーを覗くだけにして、メインのSLEEPマットレスとベッドの9ホールをじっくり歩く。

一概には言えないが、ヨーロッパはフレームと底板であるウッドスプリング、マットレスはそれぞれ別々に買うことができる。それゆえ、ベッドルームのインテリアとしてのフレームは9ホールでの展示はほとんどなく、あったとしてもマットレスの延長としての提案であり、通常は家具の部屋のコンセプト提案の中で見ることができる。逆に9ホールはマットレスやウッドスプリングなどの機能提案が中心だ。

そのマットレスとウッドスプリングの今年の感想を一言で言えば、機能を重視した素材の複雑化といえる。ヨーロッパのマットレスは日本のような金属スプリングのマットレスは無いと言っていい。一部に使われている場合のあるが、金属で全体の形を作るというより、パーツの一部として分別可能な状態で使われることがほとんどだ。これは処分する際の環境面での負荷を少なく問題もあるが、金属による地磁気や電子スモッグの影響を除くためというメーカーが多い。

マットレスの素材は高級品が天然ラテックス、中級〜低級品がウレタン中心なのだが、今回特に感じたのは、中級品の機能提案が目立っていた。ウレタンブロックをそのまま使うのではなく、パーツの組み合わせによって固さを調節したりする取り組みが増えている。日本でも整圧ふとん、快圧ふとんなどウレタンの特殊カットによって寝心地を向上させているものがあるが、良いかどうかは別として、構造の複雑さは一段と深まっている。これは、そのような差別化を行わないと生き残れないというマットレスメーカーの事情もあるようだ。

ヨーロッパの人は横寝が多いようなので、各メーカーのプレゼンテーションでも横寝時の背骨のサポートを強調しているところが多い。日本に比べると表面のソフトさが気になるが、これは横寝時の体の凹凸をできるだけうまくサポートするためである。日本人はしっかりめを好む傾向が強いのと、仰向け寝が多いので日本人に合わせた組み合わせをピックアップする必要がある。枕も同様だ。頸の部分を盛り上げたタイプはどう考えても横寝の多い人向きであり、大柄なヨーロッパの枕をそのまま導入しても難しい。

ヒュスラーネストやプロナチューラのようなウッドとラテックスの組み合わせによる、ウッドスプリングが増えているのも傾向だ。センベラの新しいウッドスプリングもこのタイプである。私の店の扱いでは、ヒュスラーネスト、プロナチューラ、センベラ、ムースブルガーの4社が出展していたが、共通するのは天然素材100%であるということ。
しかしながら、ヒュスラーとセンベラではコールドモールドフォームによるマットレスの提案も増えていた。

低反発ウレタン系はもはや主流からはずれている。パーツの一部として使われてはいるが、全体を低反発で作るテンピュールのようなタイプは非常に少なくなっている。

ハイムテキスタイル、ケルン家具市を通して見えてきたもの。
マットレスについては骨格構造的、カイロプラクティック的なものに対するアプローチは数多くされていて勉強するべきことが多い。ところが、掛けふとんはハイムテキスタイル、マットレスはケルン家具市というような分け方がなされているし、マットレスも多くのメーカーがベッドパッドの提案をしていない。掛けふとん、ベッドパット、マットレスを組み合わせて総合的に提案しているメーカーはまだまだ少ないし、睡眠科学を応用しているところは皆無である。
ただ、パンフレットだけもらって十分に話ができなかったのが残念だが、一部屋10000円ぐらいで、光・温湿度・電子スモッグなど睡眠環境に関するチェックを行うサービスが生まれていて、今後このような睡眠ソリューションに対する提案が大きなテーマになるのではないかと考える。

Heimtextil ライプレポート

ハイムテキスタイル ライブレポート

ドイツ・フランクフルトのメッセ会場で行われるハイムテキスタイル見本市は、ヨーロッパでは最も大きなインテリアや寝具の見本市です。今年は1月9日〜12日までの開催です。なんせ広い会場。一日歩くと足はへとへとですが、マインツのホテルに帰ってきて早速この最新レポートを作りました。

毎年見に行っていますと、さすがに目新しさというものはだんだん少なくなってきます。全体を見た感想は、出展者も減少傾向にあり、寝具に関していえば素材的に新しいものがあるわけではなく、手詰まり的な閉塞感がなきにしもあらず。各社ともそのような中で、少しでも新鮮味をだそうと試みています。

トレンド2008-2009
フォーラム0で毎回開催される、その年と翌年のトレンドゾーンは毎回非常に興味深いプレゼンテーションが行われます。この数年はシックなカラーに無機質な素材やデコラティブな素材を組み合わせた傾向ですが、今年も基本的にはその延長上といっていいでしょう。カラーリングは昨年に比べ、新しい差し色が増えている感じです。ただ、メタリックな素材というかメタルそのものを使った素材が増えており、その組み合わせは色だけでは語れないものがあります。トレンドのコンセプトブックは毎年25ユーロ、昨年は30ユーロだったのが今年は40ユーロ!ページ数が増えたといってもねぇ、という感じです。

カウフマン社
見本市の最大の目的が、メッセスペシャルという見本市限定の小ロットながら高品質の羽毛です。今年はポーランドのポメルン(ポメラニア地方)のステッキーグース(粘っこく絡み合うダウン。手選別で保温力が抜群)の出来が良く、これをセレクトしてきました。価格的にはアークティックやヴァルダイホワイトとブランブランシルバーの中間クラスで、ホワイトステッキーとしてはお手頃な価格といえます。といってもカウフマン社のステッキーダウンは最高級品といわれるアイダーダウンを除けば、最高水準の羽毛で日本国内ではほとんど手にすることがないダウンといえます。おそらく大手のメーカーが手に入れたら50万以上の価格をつけることは間違いないでしょうが、もちろんさわだはリーズナブル価格でのご提供です。

ビラベック社
今年の新しい取り組みはウッドスプリングとマットレスをラインアップに揃えたことが一番でしょう。ただ、マットレスは今回は他社の展示も増えており、この後来週のケルン国際家具見本市を見てみないとなんともいえないところです。
裏地にリネン麻を使ったオリジナル羊毛ふとん、羊毛パッドは現在第2ロットの発送が完了したところです。ただ、現状は日本からドイツまでリネン麻の生地を送っており、原油高による輸送コストのアップを考えると、今後価格アップの要因になります。今回はリトアニアの上質なリネンメーカーSiulas社の生地を選び、今後はその生地でオリジナルの生産を行う予定です。
そして、最高級のアイダーダウンは現在非常に高騰しており、西川では180万円クラスになっていますが、今回ビラベックのダウニイ(スイスの最上級の工場)製でシルクサテンで100万円を切ってお届けできると思います。

マラゾット社
カシミヤ毛布の質では最高レベルの定評がある会社ですが、今回は日本向けサイズの特別企画が実現。ユーロ高でありながら、数量は限定ですが、かなりお値打ちなプライスでの提供ができそうです。この秋のお楽しみ。

寝具に比べて、カーテンなどインテリアについては、素材・プレゼンテーションともさすがというヨーロッパならではの質感の高いものが揃っています。特に有力メーカーが競う3.1ホールは圧巻でうならせるものがありました。最初の頃ほどの感激はないものの、この世界を日本へもっていってもなぁと感じさせる内容です。

ハイムテキスタイルとケルン家具市

お正月はやはり太ってしまいました・・・

毎年の恒例ですが、今年もドイツのフランクフルトで開催されるハイムテキスタイル見本市とケルンで開催される国際家具見本市に行ってきます。

ハイムテキスタイルでは、羽毛原料の買い付けが主な目的です。こればかりは自分の目で確かめて買わないと、信頼の置ける原料屋さん(カウフマン社)といえどもだめなのです。
特に見本市でしかでない数百キロしかとれないメッセスペシャルが目的です。

ケルンは家具市ですが、主な目的はベッド。センベラ、ヒュスラーネスト、プロナチューラなど、ヨーロッパならではの天然素材のベッド、マットレスの最新情報の入手ですね。

ということで、出発の朝のホテルであわただしく書いておりますが、向こうでレポートできるかもしれません。お楽しみに。

あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願い申し上げます。

初売りは1月4日から。新春バーゲンを行ないます。
詳しくは元旦中にホームページにアップロードいたします。いましばしお待ちを。

毎年、年賀状は昨年の一年を振り返ってお送りするのですが、今年は喪中で欠礼いたしました。そこで、ブログで振り返ってみます。

1月 例年通りのドイツ・ハイムテキスタイル展示会も、今年は長女と三女が同行。パリとフィレンツェの美術館めぐりでしたが、彼女らはドイツが一番良かったみたい。
一昨年から長浜市の中心市街地活性化のワーキンググループとして計画策定に参加。
3月 「眠りのプロショップSawada」として改装オープン。2階に金属スプリングのないマットレスとしては、日本で最大級の品揃えをしたお試し寝コーナーを設置
4月 長浜曳山祭、神戸町孔雀山として出番。若衆としては最後か・・・
5月 滋賀医科大学睡眠学講座の睡眠指導士(初級)講座を受講、無事に試験もパスして資格取得。
6月 滋賀県商業経営研究会も7年目、いろんなメンバーが増えて刺激になります。現在会長職やけど、ぼちっと変わらんと・・・
8月 第9回グリーン購入大賞の書類選考を突破して、東京での最終プレゼンテーション審査へ。エントリーは初めてでしたが、中小企業部門で大賞を受賞。足利工業大学で行なわれた睡眠研究会のセミナーに参加
9月 大阪のホットワイヤーさんからお声がかりで、新大阪のホテルで「快眠連携」として快眠ルームをプロデュース。10月からスタート
10月 長浜芸術版楽市楽座(AIN)は今年で21回目。仙台でグリーン購入大賞の受賞式典に参加。日本の環境関連のえらいさんが沢山。大賞受賞のご縁で「びわこ環境ビジネスメッセ」に出展。見ると出るとでは大違い。びわこ放送などでも何回か放送いただきました。
11月 滋賀県の感性産業創造研究会の委員に。モノづくりよりはコトづくりの時代なのでしょうが・・・。滋賀医大睡眠学講座の睡眠指導士中級を受講。まちづくり役場で行なっている長浜家業塾で金沢へ。
12月 文部科学省の「早寝・早起き・朝ごはんフォーラム」で滋賀医大からお声がかりで子供のための寝具とベッドを出展

なかなかバラエティに富んだ面白い一年でした。

今年は睡眠と寝具の関係をさらにバージョンアップしていきます。
livedoor プロフィール

ねむりはかせ

創業120年を迎える老舗のふとん屋の四代目
今までの「売れれば良いふとん屋」を脱却し、快適な眠りはどうあるべきか、そのための寝具はどのようにしたらいいかを日夜研究しています。
そのために、全国世界を訪ね歩き、試行錯誤の中からオリジナルの寝具を生み出してきました。

プロフィール画像はキャラクターデザイナー井上・ヒサトさんの作品 なまけもののネムタをご厚意で使わせていただきました。

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