羽毛ふとんを買われた際に、「毛布は上に掛けて下さいね。羽毛は肌に近いところでお使い下さい」と説明を受けた方は少なくありません。

実際はどうなのかというと・・・
アクリル毛布の場合は半分正解。
アクリル毛布

合成繊維であるアクリル毛布を中に使うと、天然素材の羽毛の良さを実感することができないからです。ところが、アクリル毛布は1枚もので1.5〜2kg、2枚合わせだと2.4〜3kgにもなります。羽毛ふとんの上にアクリル毛布を載せると、その重みで羽毛ふとんが圧縮されてしまいます。保温力とは空気の量ですから、毛布を掛けて保温力を上げても、ふとんの保温力が落ちては話になりません。
また、アクリルの暖かい風合いは上に掛けてしまうと失われてしまいます。上に掛ける場合は、軽くて空気を含む肌ふとん等の方が良いのです。
アクリルの最大の欠点は吸湿性が悪いということです。暖かさはありますが、暖まってくると寝床内の湿度が上がって不快指数が増大します。子どもがアクリル毛布をはねてしまうのはこのためで、代謝量の少ない寒がりの方以外はあまりおすすめできません。

毛布が欲しいのは、接触温感(=肌触りの暖かさ)を実感したいためですから、本当は中に使いたいものです。ならば、どんな毛布が良いかというと、やはり天然素材。

おすすめ その1
ちょっとゼイタクですが、カシミヤ毛布が一番。カシミヤは獣毛の中で暖かく、柔らかいだけでなく、最も吸湿発散性に優れていますので、毛布としては最適です。リネンのカバーをかけて夏使うのも良いですね。ただ、等級によって天地ほどの差がありますし、まがい物も多いので要注意。値は張りますが、イタリア・マラゾット社のLANEROSSIのカシミヤ毛布が最高です。
カシミヤ毛布1

おすすめ その2
次ぎに良いのがシルク毛布。シルクの成分はセリシンとフィブロインというタンパク質ですが、肌には最も優しい繊維です。一度使ったら離せないというのがシルク毛布の特徴。これもいろいろグレードがありますが、泉大津で織っている、肌触りが抜群のシルク毛布があります。これが一番。
シルク毛布

おすすめ その3
次はオーガニックコットンの綿毛布。スイスREMEI AG社の提携でインドのオーガニックコットンを使っています。特徴は、シール織り綿毛布のような冷たさや、毛刈り綿毛布の薄っぺらさがないこと。風合いが良く、ボリューム感もあって綿毛布の中では一押しです。

おすすめ その4
都市部ならともかく綿は保温性、接触温感に欠けるのが弱点です。そこでおすすめなのが、ドイツIBENA社の綿アクリル混毛布。綿が60%、アクリルが40%でアクリルの持つ暖かさと綿の吸湿性という、それぞれの繊維の特徴が生かされています。ヨーロッパの毛布なので色や柄がきれいなのも人気です。価格も5900円からとお手頃です。
IBENA毛布4

IBENA毛布3
下の画像の毛布は12900円