89cd4f7b.jpg日本睡眠環境学会の事務局をされている川島先生が長浜へ来られました。

滋賀県東北部工業技術センター主催の「快適な睡眠のための寝具の開発技術」という技術普及講習会の講師として、3時間の講演をお聞きしました。

川島先生は寝具の性能表示について取り組んでこられたのですが、性能の指標化についてはまだまだ遅れています。現在提案されている指標のうち、保温性や耐久性、軽さについては概ね確実なところが得られますが、快適さを実現するための弾力性、吸湿性、あるいは放湿性や透湿性などは静的なデータは得られているものの、急激な発汗などに対応するための動的なデータは非常に難しいのです。

また、いい性能=眠りが深いとは必ずしもいえません。性能はあくまで目安にしか過ぎないからです。眠りの質はどのようにすれば向上するかを確認するための、臨床実験はまだまだ不足です。
私どもにしてもお客様のカウンセリングを行いながら、さまざまな提案をさせていただくのですが、これらは過去の経験データを元にしており、なかなか数値化するには道のり遠しです。

しかしながら、感覚だけでモノを売ってきたのがいままでの寝具業界、それだけに怪しげなふとんを売る業者が絶えません。できるだけ科学的なデータに裏付けられた、快眠への処方ができるようになれば、と思います。

今回いただいた資料で興味深かったのは「詰めすぎの羽毛ふとんはかえって保温力が低下する」ということでした。