実はメールでご相談をいただいたのですが、どうもうまく返事のメールが届きません。もしご覧いただければと、こちらにポストをさせていただくことといたします。

ご相談内容は、私どもの濱まゆ真綿ふとんが子どもさんの喘息に有効だろうか、ということでした。
濱まゆ真綿ふとんとは、究極の地産地消ということで、地元の軽量濱ちりめん生地に生まゆの近江真綿で仕上げた布団です。
浜まゆ真綿ふとんS

さて、喘息に対しては、発生の原因となるアレルゲン物質を減らすこと=できるだけハウスダストを減らすということが一つの対策になると思います。その意味での、真綿布団の利点は 1.真綿(絹)は長繊維でわた切れがないので、中わたからはホコリが出にくい 2.ほどよい吸湿発散性があり静電気が起きにくく、空気中のホコリを吸いにくいなどがあります。
絹は一本の糸からできていますから、わた切れがなく、繭から作った角真綿を伸ばして何層にも重ねて作ります。1枚作るのに200〜300回重ねるのです。
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一方ふとんのホコリには側生地が空気中のホコリを吸って、それを放出するものも少なくありません。できるだけホコリの吸いにくいような側生地が良いと思われます。

「浜まゆ真綿ふとん」は中わたのホコリは少ないのですが、側生地は当地の特産品濱ちりめんを使用しておりますので、生地に凹凸があり、ホコリが比較的に付着しやすいと思われます。それを避けるには、例えばオーストリアHEFEL社のリヨセルの羽毛布団用生地あたりが良さそうです。リヨセルはユーカリのパルプから作られる天然由来素材で、その羽毛用生地だとホコリも付着しにくく、出入りも少ないながら、通気性や吸湿性もある程度確保できます。

しばしば、ハウスダスト対策として丸洗いができるポリエステルわたの布団が取り上げられます。確かにポリエステルわた自体はハウスダストは発生しにくいですが、静電気を起こす可能性があります。さらに、子どもは基礎代謝量が大人の2倍ほどもありますので、素早い吸湿発散性能が必要です。ポリエステルだけのふとんは蒸れやすいために、寝床内の湿度が上がり、寝苦しくなって結果睡眠の質が低下するおそれがあります。

その点、天然素材の真綿=絹は吸湿発散性もあり、適度に保湿するので静電気も起きにくく、身体にやさしい素材といえます。欠点は、真綿自体は繊維に絡みがなく、あまり嵩が出ないことです。ベストの重量は0.8〜1.0kgぐらいでしょうが、どちらかというと肌ふとん的な厚さです。かといって1.5kg以上は重たくなるだけで、保温性もそれほど上がりません。

保温性が不足すると思われる場合は、パシーマのようなガーゼと脱脂綿でできたケットとの併用がおすすめです。

いずれにせよ、ハウスダストは敷・毛布(シール織りなどホコリの少ないものがおすすめです)も対策が必要ですし、部屋全体のクリーニングも欠かせません。
その一方で、子どもは代謝量が高く、汗をかいて成長しますので、吸湿性も十分に確保することを念頭においてください。